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契約書を作成する意義
契約は、双方の合意があれば、それだけで有効に成立します。
売買契約を例にとって見ると、民法555条には、
売買は、当事者の一方がある財産権を相手方に移転することを約し、相手方がこれに対してその代金を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。
と規定されていて、どこにも契約書を作成しなければ売買契約の効力が生じないなどとは規定されていません。(例外的に契約の中には、契約書を作成しなければならないものもあります。)
近所の商店で買い物をする場合も、不動産や自動車など高価なものを買う場合も同じ売買契約なのです。つまり、売買契約を締結する際に、契約書を作成することは必須ではないということです。
ですが、世の中には契約書があふれています。では、なぜ契約書を作成するのでしょうか?
それは、お互いが契約どおり約束を実行するようにするためです。口約束で契約を締結し、「口約束でも契約は有効だ!」と、契約どおりに実行されると信じていても、必ずしもそうはなるとは限りません。趣味でコレクションしている品物をお店で見つけ、店主に「1万円で売るよ」と言われ、後日いざ支払うというときに「3万円だよ」と言われたとしても、その品を諦めれば済みますが、販売して利益を上げる目的で仕入れる品物の価額が、当初の約束と全然違うとなれば、相手に当初の約束の証拠を突きつけ責任を追及しなければなりません。相手の責任を追及するときに、「口頭で約束した」と言い張ったところで、相手が「そうだったね」と言うことはあまり期待できません。このような場合に、相手に客観的な証拠を示し、契約の存在を認めさせなければならないので契約書を作成するのです。
契約書を作成すれば、お互いに「約束どおり契約を実行しなければ」と思いますので、契約内容の無視を防止する効果があります。
「お互い信頼している相手だから、契約書は要らない。」という方もいらっしゃるかもしれません。しかし、人間は勘違いをすることもあります。信頼している相手との取引で、どちらかが勘違いをし、お互いの契約内容に対する認識が食い違って気まずい思いをすることになり、最悪その信頼関係も崩れることになるかもしれません。契約書を作成していいれば、そういう事態も防ぐことができます。
契約書はトラブル防止のため、または何かあったときの最後の切り札として作成するものです。適当な雛形に名前と住所を書き込んで、印鑑を押して契約書完成!というのでは、契約の目的が達成できる契約書といえるかどうか疑わしいといわざるを得ません。このような契約書にはなんの意味もないということがお分かりいただけると思います。
当事務所は、お客様それぞれの事情に沿った契約書の作成をサポートをいたします。お気軽にご相談ください。
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