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遺言書Q&A



遺言に関するQ&Aです。参考にしてください。


Q.成年被後見人でも遺言することは可能か?

A.できます。
成年被後見人については、医師2人以上の立ち会いの下で正常な判断力回復が確認された場合にのみ遺言をすることができます。また。未成年者も制限行為能力者ですが、満15歳以上であれば遺言をすることは可能です。未成年者で遺言をすることは、稀だと思いますが、被成年後見人等の成人の制限行為能力者の遺言も全く不可能というわけではありません。ただ、一度、認知証であると診断された遺言者が遺言を残した場合、正常な判断力回復が医師に確認されたといっても、遺言の有効性について争いになる可能性が高いので、なるべく若く元気なうちに遺言書を作成しておくことをお勧めします。


Q.ワープロで遺言を作成することはできるか?

A.自筆証書遺言はワープロで作成することはできません。
自筆証書遺言はその全文を自書しなければならないと民法に定められているからです。ワープロ、タイプライター、コピー、代筆などによる作成は無効です。カーボン紙による複写は許されるとする判例がありますが、通常の自筆で作成したほうがいいと思います。様々な理由で自筆で遺言書を書くことが難しい場合は、公正証書遺言の作成をお勧めします。自筆証書遺言、公正証書遺言どちらもですが、文字が書けるかどうか以前に、認知症などで、意思表示ができないような場合は遺言をすることはできません。


Q.録画ビデオ、録音した音声での遺言は?

A.できません。
ビデオや録音した音声での遺言は法的には無効です。書面で作成しなければなりません。
現代は映像や音声を加工する技術が発達しているので、変造されたり、本人以外の音声を遺言者本人の声のようにすることも不可能ではないかもしれません。有効な遺言として扱うことは難しいということで、認められていません。


Q.相続人以外の第三者に財産を譲ることはできますか?

A.できます。
財産を譲り受けることができるのは人や法人に限られますが、相続人でない人(または法人など)に遺言で遺産を譲り渡すことができます。相続人に財産を承継させる場合は、「○○の土地を長男Xに相続させる」と書きます。第三者に財産を承継させる場合は、「○○の土地を友人Yに遺贈する。」と書きます。遺贈というのは、遺言者が遺言によってある人に財産を無償で譲与することをいいます。相続人に対して「遺贈」することもできますが、相続人には「相続させる」という遺言を残すほうが「遺贈」の登記手続は共同申請、「相続」は単独申請なので登記手続の面でメリットがあると思います。


Q.遺言の証人はどのような人がなれるか?

A.公正証書遺言、秘密証書遺言を作成するには2人以上の証人が必要ですが、誰でもいいと言うわけではありません。
民法には、証人になることができない者が列挙されています。

  1. 未成年者
  2. 相続人、受遺者およびその配偶者ならびに直系血族
  3. 公証人の配偶者・四親等内の親族および公証役場の書記・雇人
    これらに当たる者が証人となって作成した遺言は無効になってしまいますので注意が必要です。
    「相続人、受遺者およびその配偶者ならびに直系血族」が証人になれないということですから、身内は原則不可だと考えていいでしょう。しかし、近所の人に気軽に頼むということも難しいことです。
    このような場合、行政書士など専門家を利用すると良いと思います。行政書士なども他人には違いありませんが、士業には「守秘義務」が課されています。
    守秘義務とは、一定の職業や職務に従事する者・従事した者に対して、法律の規定に基づいて特別に課せられた、「職務上知った秘密を守る」べき法律上の義務をいいます。当事務所も、証人サポートをご用意しておりますので、ご利用ください。


Q.自筆証書遺言の訂正方法は?

A.訂正方法は、厳格に定められています。
訂正する個所を二本線で消し、その横に訂正後の文言を記入します。さらに訂正個所に印鑑を押し、欄外に「~行目、~字削除、~字加入」と 記載し、かつ「署名」しなければなりません。通常の契約書などの訂正方法(直接法)と同じではありませんので注意してください。自筆証書遺言を作成する場合、いきなり書き始めるのではなく、下書き原稿(もちろん下書きはワープロでも可)を作成した後、文字などの誤りのないように自筆で清書するというのがよいでしょう。もし間違えたら、訂正するのではなく、新しく書き直すほうがいいと思います。


Q.夫婦共同で遺言を作成するのは?

A.2人で1通の遺言書に遺言事項を書くことはできません。
「夫が先に亡くなったら、全財産は妻に、妻が先に亡くなったら、全財産は夫に相続させる」というような遺言であれば、共同でしても問題ないようにも思えますが、遺言は、本人の最終意思を尊重するため、いつでも「撤回」できることになっています。共同で遺言を作成すれば、撤回も共同で行わなければならなくなりますから、各遺言者が自由に撤回することができなくなってしまうので、必要なときに自由に撤回ができるように作成は単独で行うことになっています。


Q.遺留分減殺されないようにする遺言は作成できるか?

A.遺留分とは、被相続人の財産のうち、一定の相続人に必ず承継されるべき一定の割合のことをいいます。
遺留分権利者が直系尊属のみの場合は、遺留分の割合は3分の1で、それ以外は、2分の1です。
例を挙げると、遺言者が、「長男にすべて相続させる」と遺言を残しても、次男が「遺留分減殺請求権」を行使したら、相続財産の一部(次男の法定相続分の2分の1)は次男が取得することなります。遺言書に「次男は遺留分減殺請求権を行使しないようにしてほしい」と書くことがありますが、次男が遺言者の言葉を無視して、権利行使しようと思えば可能です。ただし、遺留分を侵害している遺言は遺留分減殺請求に服するというだけで無効ではありませんので、減殺請求されなければ遺言のとおりで何の問題もありません。




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